訴状を作成する

訴状の書き方

過払金返還請求訴訟の訴状は、サンプルなどを参考にすれば作成するのはそれほど難しいものでなく、誰でも作ることができるといってよいでしょう。
用紙は通常A4サイズの紙を縦方向に使い、横書きで作成します。

訴状はワープロでも、手書きでも問題ありません。

証拠収集の方法

訴訟を行う際には、訴状以外にも、事件の証拠が記載されている文書(書証)のコピーを一緒に裁判所へ提出します。
書証のコピーに関しては、原告、被告共に提出する必要があり、原告の書証を「甲号証」、被告の書証を「乙号証」といいます。
なお、書証のコピーを提出する際には、「甲第1号証」「甲第2号証」というように、証拠ごとに番号をつけて区別させておきます。

過払金返還請求訴訟の場合は、おもにどのような書証が必要になるのでしょうか。
まずは取引履歴の証拠となる書類、場合によっては、過払い金請求書などが必要になることもあります。
原告が作成した利息制限法に基づく法定金利計算書は、これを書証(証拠が記載されている文書)とする方法と書証ではなく別紙として訴状の一部とする方法があります。

また、消費者金融業者の多くは、株式会社、有限会社などの会社組織ですが、被告が会社の場合、会社の代表者が誰であるかを証明させるために、原告は、「資格証明書」を訴状の添付書類として提出しなければなりません。
これは、会社の代理人である会社代表者を被告として訴えを提起するからです。
「資格証明書」となるのは、被告会社の現在事項証明書(一部事項証明書または全部事項証明書)、代表者事項証明書などです。
現在事項証明書や代表者事項証明書には、代表者として複数の人間が記載されていることがあります。
この場合、上記証明書に特に代表権が制限されている旨の記載がなければ、誰を代表者として訴状に記載してもかまいません。

裁判所への提出方法

訴状と書証のコピーについては、それぞれ2部を裁判所に提出する必要があります。
これは、1部は裁判所へ、もう1部は被告の元へ送られることになります。
自分の手元にもそれぞれ1部残しておかなければならないので、被告が1名である場合は、各文書とも3部作成しておきます。

また、裁判所に提出する訴状の1つには印紙を貼っておく必要があります。
これが、訴状の正本(それ以外は副本と呼ばれます)となります。
なお、資格証明書に関しては、訴状の正本にのみ添付すればよいのです。
また、自分用に資格証明書のコピーをとっておいたほうがよいでしょう。

訴えにかかる費用

訴状には、収入印紙を貼る必要があります。
この収入印紙は訴額によって決まります。
ここで訴額とは被告に請求する過払い金のことをいいます(元金のみで利息は含みません)。
なお。この他に切手が必要になります。
切手は裁判所により異なりますが5000円分程度です。

訴状に不備があれば補正する

訴状が正しく作成できていない場合は、裁判所から補正の指示が入ります。
補正を行う場合には、裁判所まで行かなければならないので、提出の時点で訴状の不備はないかを確認しておきましょう。
なお、訴状の補正を行う際には、訴状の押印に使用した印鑑を忘れずに持っていく必要があります。

裁判期日を打ち合わせる

訴状に不備がなく、裁判所に訴状が受理されると、この後1回目の裁判期日(第1回口頭弁論期日)が決められることになります。
口頭弁論期日の決め方にはいろいろな方法があります。
裁判所書記官が訴状を受理した後、裁判所で口頭弁論期日を決め、原告に口頭弁論日呼出状が送られてくることもあれば、訴状提出後しばらくたって裁判所書記官から原告に電話があり、話し合って口頭弁論期日を決め、後で原告が口頭弁論期日請書をファクシミリまたは郵便で裁判所に送ることもあります。
また、訴状提出時に、原告と裁判所書記官が打ち合わせて口頭弁論期日を決めることもあります。
期日が指定されると、訴状は被告側に送られることになります。

第1回口頭弁論期日への出頭

極端なことをいえば、原告(過払い金を請求する側)は、第1回口頭弁論期日に出廷する必要はありません。
被告が出席していれば、原告は第1回口頭弁論期日に欠席したとしても訴状を陳述したとみなされ(「陳述擬制」といいます)、審理は行われるからです。
ただし、もし原告、被告ともに欠席した場合には、審理は行われず、1か月以内に期日指定の申立てをしないと、訴えの取下げがあったものとみなされます。

過払金返還請求訴訟の場合、被告である消費者金融業者は、第1回口頭弁論期日には出席しないことが少なくありません。
通常は、事前に答弁書を提出し、期日そのものには欠席することが多いのです。
この場合に、原告が欠席してしまうと、審理が進みませんので、事実上、原告は第1回口頭弁論期日に出席する必要があるといえます。
なお、原告が出席していれば、被告は出席しなくても、事前に提出した答弁書の陳述をしたとみなされます。

答弁書とは

原告が裁判所に提出するように、被告は裁判所に答弁書を提出する必要があります。
答弁書には、おもに訴状に対する被告側の反論が記されています。
そのため、答弁書は丁寧に読んで、内容をしっかり理解しておく必要があります。
しかし、答弁書には訴状に対する反論以外にも、和解金額が提示されている場合があります。
もし、被告が第1回口頭弁論期日に欠席した場合、答弁書に提示されている金額で和解してもよいということを裁判官に意思表示すれば、裁判官によって「和解に代わる決定」が出されることになるでしょう。
なお、答弁書は、第1回口頭弁論期日より前に原告の元へ郵送またはFAXで送られる場合と、当日に受け取る場合があります。

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