破産管財人が選任されると管財事件になる

管財事件になる

ここでは、財産があるため管財事件になった人の管財手続について見ておきましょう。

申立人に、配当すべき財産や不動産がある場合には、裁判所は破産管財人を選出して、破産者の財産の換価・配当という手続をとります。
この手続が、本来の破産手続です。
このように破産管財人が選任される場合を管財事件といいます。
ただ、個人の自己破産の場合は、ほとんどが同時廃止になりますから、実際に管財事件になる場合はそれほどありません。
また、管財事件になったとしても、東京地裁の場合などは、多くの場合、少額管財事件として特殊な取扱いがなされます。

管財事件の手続の流れはどうなっている

管財事件は、通常、次のような手続で進行していきます。

  1. 破産管財人の選任
    破産管財人は、破産手続において破産者の財産の管理・処分を行う機関です。
    管財人に選任されるのは、ほとんどの場合、弁護士ですが、選任は裁判所が行います。
    破産管財人が選任されると、破産者の財産を管理・処分する権限はすべて管財人に移ります。
    管財人は、破産者の財産を迅速・正確に調査して、すべての債権者に公平に分配できるように手続を進めていきます。
  2. 債権届出期間の決定
    裁判所は、破産手続開始決定と同時に債権届出期間を定めます。
    債権者は、この期間に債権を届け出ることによって、破産債権者となり、債権者集会で議決権を行使できるようになります。
  3. 第1回債権者集会の期日の指定
    破産手続では、原則として、破産債権者の決議が必要とされています。
    債権者の意思を尊重し、公平を図るためです。
    そこで、財産状況などを債権者に報告する場として、第1回の債権者集会は重要な意味をもっています。
    原則として裁判所は破産手続開始決定と同時に第1回債権者集会の期日を指定します。
  4. 債権調査期間の決定
    債権調査期間の決定も破産手続開始決定と同時になされます。
    債権調査手続において、債権の存在や額・順位などを確定し、将来、債権者に配当するために準備がなされます。
  5. 破産財団の換価・配当
    破産者に残っている財産は破産財団という形にひとまろまりにされ、やがて売却されお金に換えられます。
    破産管財人は、裁判所の監督の下、破産財団に含まれる財産を現金にして、債権者に分配する準備をするのです。
    破産管財人は、届け出ている債権者に債券額に比例して、順次分配していきます。
    これを配当といいます。
    債権者A・B・Cの3人がそれぞれ100万円:200万円:200万円(=1:2:2)の債権を持っている場合に、分配できる金銭が100万円しかなかったとすると、A・B・Cの取り分はそれぞれ20万円:40万円:40万円(=1:2:2)となります。
    このような分け方を按分比例といいます。
    配当が終了することで、破産手続は終了します。

破産債権を確定する

破産手続は、債権者への配当(弁済)を目的とする手続ですから、破産者に対してどれだけの債権があるかを確定しなければなりません。
その手続として、債権の届出と債権調査というものがあります。

債権者は、裁判所が指定した債権届で期間内に、自分の債権を届け出なければなりません。
この期間は公告され、また、判明している債権者には通知されます。
届け出られた債権については、裁判所書記官が「破産債権者表」を作成し、債権表のコピーが管財人にわたされます。

債権を調査する期日(債権調査期日)には、届出のあった債権について、債権者の氏名・住所・債権の額および原因、優先権や別除権(抵当権など一般の債権に優先して競売などによって回収を図ることのできる権利)など注意しなければならないことはないか、などを調査します。
また、管財人は、届け出られた債権の中身が真実かどうかを、調査期日までにチェックしておきます。

こうして調査された債権は、裁判所書記官によって破産債権者表に記載されます。
とくに問題がなく破産債権者が確定すれば、破産債権者の記載は破産債権者全員の関係では、訴訟による確定判決と同一の効力をもちます。

債権者集会とは

破産手続開始決定がなされると、債権者は、もはや自分の債権を行使することができなくなります。
債権者は破産手続によって破産財団から債権額に応じた按分比例による分配をうけられますが、破産手続開始決定がなされた今となっては、債権者が全額回収するということは当然、不可能になります。

破産債権者は、最終的に少しでも多くの配当を受けらえるよう、破産財団の管理が適切になされ、また、換価がより高額であることを望みます。
ですから、破産手続の進行には重大な関心をもたないわけにはいきません。
そのため、ときによっては対立する利害関係をもっている債権者の意見を調整し、その共同の意思を破産手続に反映させる必要があります。
そこで設けられたのが債権者集会です。

債権者集会の権限

債権者集会は、裁判所が、破産管財人や債権者委員会、裁判所が把握している破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の10分の1以上にあたる破産債権をもつ債権者などの申立てによって、あるいは裁判所の職権で招集られます。
ただ、必ずしも債権者集会を開催しなければならないわけではありません。

債権者集会には、破産者から報告を受ける範囲や、破産管財人の解任請求の決議もできます。
債権者集会の決議は、届出債権者だけが決議権をもち、議決定を行使できる破産債権者で出席した者の議決権の総額の2分の1を越える者の賛成があれば決議は成立します。

財産がある人の破産手続き

  1. 破産開始申立をする(地方裁判所に申立てる)
  2. 破産審尋
  3. 破産手続開始決定
  4. 破産管財人選任
  5. 債権者集会
  6. 配当
  7. 免責申立(以下、法人は免責されない)
  8. 審尋
  9. 免責決定

弁護士・認定司法書士に相談する