特定調停は支払不能に陥るおそれがあるときに活用できる

特定調停法は、支払不能に陥るおそれがある債務者(個人・法人)の経済的再生の手続きを定めたものです。
民事調停法の特例で、債務者が負っている金銭債務についての利害関係の調整を目的とするものです。
特定調停の申立は平成21年中には約5万5904件で、非常に多く利用されています。

特定調停が、通常の民事調停より有利な点は次のとおりです。

  1. 民事執行手続きを無担保で停止できます(給与差押えも同様)。
    ただし、これは裁判所の裁量(判断)によるもので必ず停止できるというものではありません。

  2. 調停委員会が特に必要があると認めるときは、貸金業者等に対して取引経過の開示を求めることができます。
    業者がこれに応じなければ、10万円以下の過料の制裁があります。
    特定調停者としては、貸金業者等の取引経過の文書提出を調停委員に頼むことになります。
    なお、特定調停で話合いがつけば、合意した内容が記載された調停調書が作成されます。
    この調停調書は判決と同じ効力があります。

特定調停の申立手続きはどうなっているか

特定調停を申し立てることができるのは特定債務者です。

特定債務者とは、「金銭債務を負っている者であって、支払不能に陥るおそれのある者もしくは事業の継続に支障をきたすことなく弁済期にある債務を弁済することが困難な者または債務超過に陥るおそれがある法人(特定調停法2条1)をいいます。

具体的には、借金の返済で困っている個人(住宅ローンを抱えて困っている人も含む)や負債を抱えて困っている会社です。

特定調停の申立は、原則として相手方(債権者)の住所地を管轄する簡易裁判所にします。

ただし、地方裁判所への裁量移送ができることになっています。

特定調停の申立費用は、債権者数×500円と若干の予納郵券(東京地裁は1450円分の切手)が必要です。

また、特定調停の申立をする際に、「特定調停手続きにより調停を行うことを求める」旨の申述をする必要があります。
具体的には、調停申立書にその旨を記載すればよいでしょう。
裁判所に申立書式が用意されているところもありますので、確認するようにしてください。

申立の際に提出する資料としては、①資産の一覧表(不動産、自動車、預貯金など)、②債権者および担保権者の一覧表、③生活の状況がわかるもの(給与明細、家計簿、通帳の写しなど)、④借入の内容がわかるもの(契約書の写し)、⑤これまでの返済の内容がわかるもの(領収書などの写し)、などがあります。

この他にも資料提出を求められることがありますので、裁判所の指示に従ってください。

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