業者は悪質な取立をしたら処分される

刑事処分の場合

刑法に触れるような行為があった場合には、刑法の規定により刑事処分がなされます。

  1. 借主がケガをさせられたとき
    傷害罪(刑法204条)。
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金もしくは科料。

  2. 借主が暴力を振るわれたとき
    暴行罪(刑法208条)。
    暴行を加えた者が傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料。

  3. 借主が脅迫を受けたとき
    脅迫罪(刑法222条)。
    生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金。

  4. 借主が逮捕・監禁されたとき
    逮捕・監禁罪(刑法220条)。
    不法に人を逮捕し、または監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

貸金業法の取立禁止行為に違反する場合

貸金業者や貸金業者から取立ての委託を受けた者が、貸金業法21条の取立禁止行為の規制に違反した場合にはどうなるのでしょうか。

債権の取立で「人を威迫しまたはその私生活もしくは業務の平穏を害するような言動により借主(債務者)を困惑させてはならない」(貸金業法21条1項)という規定に違反した場合には罰則が強化されていて、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することになっています(同法47条の2)。
なお、債権の取立をする者は、請求があったときには、氏名等を明らかにしなければならない(同法21条2項)ことになっていますが、この規定に違反すると100万円以下の罰金に処せられることになります(同法49条)。

また、悪質業者に対しては、行政処分があります。
貸金業法36条では、「債権の取立をするにあたり、第21条(取立行為の規制)の規定に違反したときには、内閣総理大臣または都道府県知事は、1年以内の期間を定めて業務の全部または一部の停止を命ずることができる」と規定しています。
さらに、情状がとくに重いときにはその業者の登録を取り消さなければならないと定めています。

このように、取立規制などに違反する取立をした貸金業者は懲役・罰金などの刑事罰、業務停止、登録取消しといった行政処分を受けることになります。
したがって、債務者や保証人あるいは家族などが、貸金業者より違法な取立を受けた場合には、警察や検察庁に対して告訴・告発をして刑事処分を求めることができます。

また、監督行政庁に対しては行政処分を求める申立もできます。
なお、取立行為が悪質で不法行為となる場合には、損害賠償の請求が可能です。