可処分所得の金額を算出してみる

可処分所得とは

給与所得者等再生では、可処分所得の2年分以上(または最低弁済額あるいは清算価値以上)を、原則として3年(例外5年)で返済し、残りの借金は免除してもらうことになります。

可処分所得というのは、収入から所得税・住民税・社会保険料・生活費などを引いた残り、つまり、借金の返済に回すことができる金額のことです。
税込み収入から所得税などを引いた手取額から、地域の特性や家族構成などに応じた生活保護基準をベースに1年分の費用を計算し、それが控除されることになります。

可処分所得を算出するための基準

可処分所得を算出するための基準は、政令で定められています。

まず、政令では全国の債権者の居住地域を大きく6区に分類します。
その上で、それぞれの地区の特性や、債務者の年齢・家族構成などに応じて、①個人別生活費、②世帯別生活費、③冬季特別生活費、④住居費、⑤勤労必要経費、を定めています。

これらの費用を、前項で求められた年収から差し引きます。

具体的な費用の内訳

年収から控除される費用を、年収500万円、借金総額900万円の東京23区に暮らす4人家族(夫35歳、妻33歳、長女6歳、長男3歳)を例にとって、具体的に見ていきましょう。

個人別生活費というのは、人一人が生活するのに必要と思われる費用のことで、その人の年齢や居住している地域によって異なるものとされています。

たとえば、東京23区であれば、35歳の人で1年間49万9000円、3歳の子どもは34万1000円などとなっています。
年齢に応じて変化してきますが、幼児では低く、小・中・高校生や高齢者では、比較的高く設定されています。
また、33歳の妻も49万9000円、6歳の子どもは、44万2000円になります。

世帯別生活費も地域や家族構成などで異なってきます。
東京23区で家族4人の場合は、70万3000円になっています。

冬季特別生活費というのは、冬の間の暖房費を考慮した費用で、寒冷地になると、当然この金額は大きくなります。
ちなみに、東京23区では2万7000円ですが、北海道では20万円近くにもなります。

住居費は、住まいの維持費のことで、もっぱらそれぞれの地域の賃料相場などを参考に決められています。

勤労必要費は、居住地域と収入に応じて一律に定められています。
ここでとり上げてきた、東京23区の年収500万円4人家族の場合には、年間55万5000円になります。

年収から控除される最低生活費

最低生活費の内訳

  1. 個別生活費
  2. 世帯別生活費
  3. 冬季特別生活費
  4. 住居費
  5. 勤労必要経費

可処分所得を求める

これらの金額の合計を手取り年収(所得税、住民性、社会保険料を控除したもの)から引き算すれば、可処分所得が求められます。
実際に可処分所得を計算してみましょう。

  1. 個人別生活費
    49万9000円×2+44万2000円+34万1000円=178万1000円
  2. 世帯別生活費:70万3000円
  3. 冬季特別生活費:2万7000円
  4. 住居費:83万5000円
  5. 勤労必要経費:55万5000円
    年収−(1+2+3+4+5)=5000万円−(390万1000円)=109万9000円

年収500万円なら、年間109万9000円が可処分所得になります。
この2年分(109万9000円×2=219万8000円)以上を、原則3年で返済するわけです。
ちなみに、毎月返済することにすること、

月々の返済額は、
219万8000円÷(12か月×3年)=6万1055円
になります。

最低弁済額や清算価格が219万8000円以下である限り、この219万8000円がこの会社員の「計算弁済総額」となります。
なお、政令は物価の状況や生活保護基準の変更によって改正されていますので、法務省のホームページなどで最新の数値を確認することができます。