再生計画案の内容と書き方

再生計画案の提出はどうするのか

個人再生手続の場合には、債務者が申立てをするときに、債権者一覧表に住宅ローンに関する権利変更条項(住宅資金特別条項)を定めた再生計画案を提出する旨を記載しておかなければなりません。

同意型の場合を除いて、住宅資金特別条項付の再生計画案に対して、住宅ローン債権者が同意するかどうかは問題となりませんが、裁判所は住宅ローン債権者の定めた再生計画を提出する場合には、あらかじめ住宅ローン債権者と協議をしなければならないとされています。
協議にあたっては、債務者の給与明細書や住宅の登記事項証明書などを、住宅ローン債権者に提出することになりでしょう。
住宅ローン債権者は、債務者から提示された書類などを参考に、住宅ローン債権者との間で、返済に向けた現実的な再生計画案をたてることができるのです。

住宅資金特別条項の記載事項

住宅資金特別条項においては、住宅資金特別条項である旨と下記に記載した事項を明示しなければなりません。

  1. 再生計画において住宅資金特別条項を定めることができる住宅資金貸付債権をもっている債権者、または巻戻し条項(住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可決定が確定した場合において、保証会社がすでに金融機関に対して保証債務を履行していきたいときは、その保証債務は初めから履行されていなかったものとみなすこと)の規定により住宅資金貸付債権をもつこととなる者の氏名、住所
  2. 住宅と住宅の敷地の表示
  3. 住宅と住宅の敷地に設定されている住宅資金貸付債権に規定された抵当権の表示

住宅資金特別条項の添付書類

債務者は、住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出するときには、以下に記載した書面を一緒に提出しなければなりません。

  1. 住宅資金貸付契約の内容を記載した書面の写し
  2. 住宅資金貸付契約に定める各弁済期における弁済すべき額を明らかにする書面
  3. 住宅と住宅の敷地の不動産の登記事項証明書
  4. 住宅以外の不動産(ただし、住宅の敷地を除く)で、住宅資金貸付債権で規定された抵当権で規定された抵当権が設定されているときは、その不動産の登記事項証明書
  5. 債務者は住宅において自己の居住のために使用されない部分があるときは、この住宅のうち債務者の居住のために使用されている部分と使用されている部分の床面積を明らかにする書面
  6. 保証会社が住宅資金貸付債権にかかる保証債務の全部を履行したときは、この履行により保証債務が消滅した日を明らかにする書面

再生計画案の書き方

法律によって定められた住宅資金別条項には3つのパターンがありました。
再生計画案を書くにあたって、3つの書き方に、それほどの違いはありません。
以下、再生計画案の書き方を見ていきましょう。

  • 再生計画案
    再生計画案には、①再生債権に対する権利の変更、②住宅資金特別条項、③共益債権及び一般優先債権の弁済方法と3つの項目があります。
    基本的には、⬜︎にチェックを入れ、必要事項を記載しますが、②住宅資金特別条項には、別紙として提出した物件目録と抵当権目録の内容を記載します。
  • 物件目録 抵当権目録
    物件目録、抵当権目録に記載する住宅・住宅の敷地、抵当権の被担保権(借りた金)は、住宅ローン債務を担保するために設定した抵当権についてのものです。
    これらの記載は、不動産登記事項証明書や契約書などを参考にすればよいでしょう。
  • 別紙1(民事再生法199条◯項)
    住宅資金特別条項の内容によって、書き方が違ってきますが、ここでは、簡単に説明します。
    期限の利益回復型の場合、冒頭に(民事再生法199条1項)と記載します。
    最終弁済延長型であれば(民事再生法199条2項)、元本猶予型であれば(民事再生法199条3項)と民事再生法の条文にそったかたちで記載します。

その後で、条項の内容を記載していきます。
この部分は各々の条項によって違ってきますが、住宅ローン債権者などと事前協議をして決まった内容を、⬜︎にチェックし、返済期間や弁済回数などを記載します。

最後に、弁済額の算定にあたり端数等の調整の仕方、原契約者の条項で変更する条項、を⬜︎にチェックします。

民事再生の申立書とともに提出する

住宅資金貸付債権(住宅ローン)に関する特則は、小規模個人再生、給与所得者等再生のいずれの手続でも利用することができます。
住宅資金貸付債権に関する特則を利用する場合は、小規模個人再生、給与所得者等再生の申立書の申立ての理由等の住宅資金特別条項の⬜︎にチェックします。
それ以外の住宅ローンに関する特則を利用する場合の小規模個人再生、給与所得者等再生の申立書の記載は、住宅ローンに関する特則を利用しない場合の申立書の記載とほぼ同じです。